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2012/11/12

2012/11/01-11/11 ブロムシュテット/バンベルク交響楽団の日本ツアー

追っかけチケット

ブロムシュテット/バンベルク交響楽団の今回の来日を追っかけて思ったことを書いてみようかと。初日については以前Google+に書いたものをちょっと修正。

【11/1サントリーホール】
一曲目はベートーヴェンの英雄。これは勇ましさよりもチャーミングな印象。特に終楽章がカワイイ感じ。ベートーヴェンの初期であることを意識したんだろうか。

二曲目が交響曲7番。出来はこちらの方が上だと思った。とにかく音が厚い。出だしから重厚な和音に圧倒された。英雄では管楽器にハラハラしたけど、こっちではとても良かった。ホルンの弱音も素晴らしかった。

ただ、サントリーのLAブロック後ろの方だったので、席がコントラバスの真裏となってしまい、やや低音不足に感じてしまった。マエストロは低音を土台にする印象があるのでちょっと残念。

終演後オケが引っ込んだ後も拍手鳴り止まず、マエストロが再び舞台に。

この日は、マエストロが「去年」と比べて老いた気がした。オケに遅れを取った気がする箇所があった。そんな印象は以前にはなかったと思う。もちろんオケはちゃんとしていたので自分の思い過ごしなのかもしれないけど。今後はリズム中心の曲よりも響きが大切な曲の方が良いような気がする。11/3福岡のブルックナーにより期待。

【11/3アクロス福岡】
一曲目はベートーヴェンの交響曲7番。11/1のサントリーの時と違って前プロなのに、サントリーの時よりもさらに力強く感じた。終楽章の2ndバイオリンなど全てを出し切るような体の動きだった。マエストロも11/1の時よりも煽っていたようにも思えた。11/1にベト7を聞いて老いたなんて思ってしまったが、そうではなくあの振り方がマエストロの意思だったのだと思う。出てきた音楽やら自分のテンションやらでその時はそう思えてしまったのかもしれない。

二曲目はブルックナーの交響曲第4番。出だしのホルンであ!って思うところが一瞬あったけど、全体的には好演。金管・木管・打楽器・弦楽器全てがバランスよく、きっちり組み上げられたブルックナー。この曲だから当たり前なのかもしれないけど、ヴィオラパートがかっこ良かった。

しかし、弦楽器各パートの音が混じって聞こえるようなところもあり、対向配置を効果的に使って各パートを一つ一つ組み上げながら響く巨大な和音を期待している自分には若干物足りなかった。これは好みによっては好意的に取った人もいると思う。ベートーヴェンのときは音が自分の体に刺さってくる感じではなく、頭の上を超えていく感じだった。どうもこのホール特有の響きは自分としてはあまり好きではなかったみたい。

終演後のマエストロのお呼び出しなし。

【11/6サントリー】
一曲目はモーツァルトのPコン17番。一楽章最初の一音を聞いた時に「あぁ来てよかった」と思った。ふわっとした和音、キビキビとしたテンポではなくゆったりと悠然。ピアニストのアンデルジェフスキはそのオケにあわせている印象。カデンツァになって急にテンポを上げたりして、これまで溜めていた思いを爆発させたんじゃないかと思えた。二楽章は極めてロマンティック。これはピアノもオケもピッタリ。ゲネラルパウゼの静寂にも音楽が漲っていた。三楽章は変幻自在、終わりの方で一気にたたみ込むところは本当に圧巻。こんなモーツァルト、なかなか聴けない。本当に良い体験をした。それにしても、フルートとオーボエに愛を感じたなぁ。

二曲目はブルックナーの4番。これは福岡とあまり印象が変わらない。ただ、ホールの響きはこちらの方が好き。

終演後オケが引っ込んだ後も拍手鳴り止まず、マエストロが再び舞台に。
この日はサインを貰いに行き、最近出たばかりのブルックナー全集Boxの箱に書いてもらうように差し出したら、驚きつつもThis is nice music!(だったかな?)って言ってた。そして帰りがけにI'm going to kyoto next Saturday.と言ったら、マエストロが笑顔でSee you ageinと言ってくれた。
ブルックナー交響曲全集、ブロムシュテット氏のサイン入り

【11/10の京都公演】
11/1のサントリーホール公演と同一プログラム。
一曲目のベートーヴェンの英雄、いきなり度肝を抜かれてしまった。とにかくカッコいい、男性的な音楽。サントリーの時に感じたチャーミングと言う印象は一体なんだったのだろうか?そして、オケの響きがとても素晴しいこと!かなり以前、シュタインと来日したときの感動的なブラ4と同じ印象を持った。中低音を中心にふわっとした響きがホール中に響く・・・あー、これがバンベルク交響楽団の音なんだなぁと。ベートーヴェンで鳥肌立ったのはいつぐらいぶりだっただろうか?

二曲目のベト7はサントリーと福岡と同じ印象。そこに前プロと同じ響きが加わってよかった。でも、気持ちオケがバラバラしたような・・・。

終演後オケが引っ込んだ後も拍手鳴り止まず、ブロムシュテットが再び舞台に。お客のテンションはサントリーの時よりも高かった気がする。ブロムシュテットもお客さんの方を向いて拍手を送ってた。きっと演じている側も客席のテンションを感じていたのかもしれない。

【11/11の兵庫県立芸術文化センター】
こちらも11/6のサントリーホール公演と同一。一曲目のモーツァルトは曲が始まろうとする瞬間から、補聴器のハウリングと思われる連続した高周波音がホール全体を支配した。これはソリストによるアンコールまでずっと続いた。これについては色々ネットで書かれているようなので自分は触れない。あまりに不快で感想不能。サントリーで満足したからいいや。

二曲目はブルックナーの4番。ハコのマネージャーが舞台に出てきて補聴器のチェックをさせ、静寂が保てていることを確認してからオケが舞台に入ってきた。自分にとってはこのツアーでのブル4、3回目。この日が一番良かった。ややデッドなホールが書くパートの音をきっちり自分の耳に届けてくれたと思う。コントラバスだけじゃなくチューバとトロンボーンも響きの土台を作っているし、ホルンは美しいし、トランペットはかっこいい。曲中のヴィオラとホルンの掛け合いもドキドキものだった。

終演後オケが引っ込んだ後も拍手鳴り止まず、マエストロが再び舞台に。こちらもお客のテンションはサントリーの時よりも高かった気がする。ブル4が終わった後の静寂もここが一番長かったし。マエストロは拍手を受けながら、ファーストヴァイオリンのパートを持ち上げて指をさしていた。ここに人柄出ていると思った。

【全体通して】
東京、福岡、東京、京都、西宮と聞いて思ったのは、マエストロが振るとどこのオケを振っても本当にいい響きがするということ。とにかく和音がキレイにハモること!そして一拍たりともないがしろにせず、すべての音にニュアンスがついている。この音作りに慣れちゃうと、他の人の指揮だとぶっきらぼうに聞こえる気がしてしまうと思う。だからと言って、どのオケも同じ響きになってしまうことはないと思ってる。チェコ・フィルとのブル8は、重厚と言うよりは光っていて美しいって感じだったし、ライプツィヒとのブル7は巨大建築のようだった。まるでxxのオケのようだってことではなく、そのオーケストラの良さを最大限に引き出しているんだと思う。

マエストロは大見得を切ったりはしないんだけど、ダイナミックレンジが広いので、ピアニッシモからクレッシェンドしてフォルテシモになるときに爆発力みたいなものを強く感じる。NDR響のシェフやLGOのシェフになりたての頃と比べて、リズム感が後退した感じがするけど、その分適度なタメが備わるようになったと思う。そして、ちょっとした見得も増えた感じで、それがまた自分には丁度いい。

そう、福岡での終演後、ホールを出る人達の会話を聞いてとても印象的な一言は「高級オーディオで音楽を聞いているようだった」。これはすごくマエストロの音楽の良さを表現しているように思えた。前にも書いたけど、自分が持つマエストロの印象はホールで聞いているのにどのパートの音も埋もれずに聞こえてくる演奏。それを高級オーディオで聞くと言うシチェーションに共通点を見出した。

それにしても、今後もマエストロ・ブロムシュテットは聞き逃せない。まだまだ変わっていく気がする。この先、どうなっていくんだろうか?最後まで付き合います、私は。海外まではついていけそうもないけど(^^;;。

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